組写真の作り方|写真集や展示のセレクトに役立つ!知っておきたい編集の“型”[後編]


テーマに沿ってひとつの組写真を構成する「写真編集」に取り組む人のための制作記事第2弾!後編です。
写真展や組写真のセレクトで迷わない!はじめての写真編集
に引き続き、組写真の基礎をお伝えしています。
※この記事は、ファットフォトvol.89号の記事をもとに編集・制作しています。

前半でもお伝えした通り、ここで紹介するのは組写真の「型」。
写真の編集には大きく分けて
・時系列型
・タイポロジー型
・ロードトリップ型
・物語型
・ポートフォリオ型
・カタログ型

があり、この6つのタイプについて、ご紹介させていただきます。

前編はこちら!

記事の内容
1.そもそもなぜ「型」を知る必要があるの? [前編]
2.編集初心者も取り組みやすい2つの型 [前編]
3.レベルアップに取り組みたい3つの型
4.目的があればつくりたい1つの型

3.レベルアップで取り組みたい3つの型

スタイル3:タイポロジー型

同種類の被写体を同じ条件やルールで取り集めたものがタイポロジー。
日本語では「類型学」といいます。
有名なのは、ドイツの写真家、ベッヒャー夫妻の給水塔シリーズ。
この作品は横浪修さんの『100 Children』という作品です。

同じ制服を着た子どもが首に野菜や果物をはさみ、同じ距離感、同じ背景で撮影されています。
個々の際が際立ち、被写体そのものの意味より形に注目させる効果があります。
このタイポロジー型で、アングルや構図がバラバラになってくると、注目すべきポイントが曖昧になってしまうことも。
「撮影ルール」や「条件」を決めて、それをいかにすべての写真で守れるかが肝。

スタイル4:物語型

写真をつなぎ合わせて、ひとつの物語を作る方法。
すべての写真の型の中でも難易度が高いスタイルですが、
その分、上手く構成すれば伝えたいメッセージも伝わりやすい型です。
写真展や組写真のセレクトで迷わない!はじめての写真編集」で紹介した組み方はこの組み方です。

『浅草善哉』は浅草で暮らす2人の老夫婦の生きた証が、偶然出会った写真家により記録されていきます。
「ストーリー」の中での時間の流れはもありますが、時系列のまま構成することに縛られる必要はありません。
撮り手が伝えたいメッセージを、主人公の周辺の環境も写しながら効果的に描き出しています。

スタイル5:ポートフォリオ型

ひとつのテーマをいろんな切り口で世に伝える方法。
物語のように時間的な構成ではなく、作家が掲げた問題や課題についてさまざまな角度から視点をあてるというもの。

コンゴ民主共和国の東で起きた、人道的惨事を検証するために撮影された『INFRA』では、
組織的な性暴力や、少年兵、市民の大量虐殺、稀にある人食いの風習など、さまざまな視点から取材されています。
世の中へ向けての問題定義や課題の発信などを、多角的・客観的に伝えるのに効果的です。

4.目的があればつくりたい1つの型

スタイル6:カタログ型

既にご自身で何シリーズかの作品を持っていれば、自分の紹介としても使えるこの型でつくってみるのもありでしょう。
ただし、基本的には「私はこういう作家です」ということを伝えるものになりますので、
「ポートフォリオレビュー」や、「コンペティション」には向きません。
作家の仕事として、自分のポートフォリオとしての使用や、
写真展を開催時の補足として作っておくと便利かもしれません。

この杉本博司さんの写真集は、森美術館で開催された初回顧展のカタログとして作成されたもの。
「海景」「仏の海,1995」「劇場」などの代表作が載っています。
こうした著名作家の作品集として扱われることが多いスタイルです。

以上、覚えておきたい写真集の6つの「型」。
自分に合った写真集やブックづくりに、ぜひとも役立ててください!

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