熊谷聖司・佐藤倫子・テラウチマサトがフォトコンテストでその写真を選んだ理由は?講評をチェック!



「PHaT PHOTO」の人気コンテストPPC。
毎号異なる3名の写真関係者を審査員としてお招きし、審査を行い、座談会形式で3名の視点から講評します。
上位50作品は必ずコメントがつくフォトコンテストです。

本記事では、上位9作品に続いて、入選7作品をご紹介します。

審査員:熊谷聖司/佐藤倫子/テラウチマサト

切りとるタイミングにひと工夫を

「オン ステージ」タナベマナブ


――ここからは入選作品です。自由応募でタナベマナブさんの作品「オン ステージ」。

テラウチ 影と人の周囲に、建物の影や柱など、いくつもの四角が見えますね。女性以外は直線で構成されているので、画面にまとまりが出ています。

いいタイミングを捉えていますが、少し中途半端な切りとり方のように思いました。柱に対称に写った女性の姿も面白いと思うので、もう少し右側を大きく写してみてもよかったかもしれません。

熊谷 ステージに見立てて撮影した意図はわかりましたが、手前の比率が大きすぎたんですかね。テラウチさんが言われたように、あと一歩工夫できそうな気がしました。正対だけではなく、斜めからの構図を試したり、ここだと思う場所に出合った時には色んな角度から眺めてみるといいと思います。

佐藤 私は真っすぐな撮り方はいいなと思いました。床にメリハリがありますし、写り込みも面白いです。

ただ、メインになる被写体はもう少し待ってもよかったかなと。ちょうどいいところに歩いてきたのかもしれませんが、たとえば写真的に特徴のある人を配置すると、印象が変わったような気がします。

想像を膨らませる言葉でより良い作品に

「離れたくない」入山裕


――続いては、自由応募で入山裕さんの作品「離れたくない」。

佐藤 どうして、誰と離れたくないんだろうと、すごく気になりました。構図は少し中途半端に見えましたが、それもこの別れ際の動揺を表しているのでしょうか。この女の子の悲しい表情がとても印象的でした。

テラウチ 転校の時期なのかなと想像しました。まるでミュージックビデオの中の1枚のようですね。この微妙な距離感の演出がよかったです。

熊谷 タイトルでここまで直接的に写真を説明する必要はないんじゃないかなと思いました。離れたくない気持ちは、女の子の悲し気な表情だけで伝わってくる。まったく違う言葉にしても面白かったかもしれません。たとえば、女の子の名前をタイトルにしてみたり。

写真で語っていることをわざわざ言葉にしなくても、十分作者の意図は表現できている気がしました。見る側が想像を膨らませることができるような言葉を付けてみると、よりいい作品になると思います。

見ている人に想いを届けるためにどうすべきか

「花を憶う」望月クララ


――次は、自由応募で望月クララさんの作品「花を憶う」。

テラウチ 最初、僕には1人ではなく、2人の人物がベッドに並んでいるように見えました。右側の毛布のところが人みたいだったので。作者はそれを意識したわけではないかもしれませんが、面白い切りとり方だと思います。暗めのトーンと老いた腕に、切なさを感じました。

佐藤 この場所、この時間の空気感は伝わってきました。ピンを外して撮影しているのは意図的なのか?気持ちを伝える写真であることはわかりますが、作品の曖昧さも感じました。

熊谷 老いた病床のお母さんを撮影されたとのことですが、どういう気持ちでこの写真を作品として応募されたのかが、僕には読み取れなかったです。

こういった死を扱うテーマの写真は確かにたくさんありますが、---------
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