1. HOME
  2. Magazine
  3. HOW TO / 作品制作のヒント
  4. はじめての個展・グループ展で失敗しない! 写真の展示方法
HOW TO / 作品制作のヒント

はじめての個展・グループ展で失敗しない! 写真の展示方法


個展やグループ展、御苗場など…写真展を控えた方、これから写真展をやりたいと思っている方へ

PHaT PHOTO vol.85「展示とプリントの万全Q&A」から、作品の準備や展示方法のノウハウをご紹介します。
今回ご紹介するのは、実際の展示の方法について。
何が必要?写真展示のための6つの道具と選ぶポイント]で紹介した道具を使ってどんな風に展示するのか、展示位置の決め方や作品の保存方法まで紹介します!

失敗しない!写真の展示方法

1.展示位置を計算する


まずは展示する場所の図面・寸法を確認し、展示する壁の幅を把握しましょう。グループ展の場合は、ひとりあたりの展示スペースを確認。展示サイズや枚数を検討したら、作品と作品の間は何センチあけるかも計算します。できたら実際のギャラリーでサイズ感を体感するとベスト。

2.水糸を張る


一般的に良いと言われているのは、平均的な目線の高さ(1450㎜)に作品の中心がくること。そこに額の中心から釘を掛ける部分までの高さを足し、メジャーで位置を測定。マスキングテープで印を付けて水糸を張ったら、一度水準器で水平かをチェックしましょう。

3.釘を打つ


釘打ちの高さが決まったら今度は横位置です。壁の端から展示する1作品目の左端位置を測って印します。そこから額の中心となる位置を測定し、その左右にひとつずつ真っ直ぐ釘を打っていきます。手首のスナップをきかせると、あまり力を入れずに楽に打ちこむことができますよ。

4.作品をかける


壁によっては、1作品を掛けたあとに次の釘打ちをすると、振動で作品が落ちてしまう危険性がある場合も。できれば展示作品分の釘をすべて打ち終わった後に作品を掛けると安心です。額や表面に汚れ・指紋がつかないよう、作品を持つときは白手袋の使用がお勧めです。

5.水平を測り、水糸をとる


作品を掛けたら上に水準器を置き、水平に掛けられているかチェック。傾いていれば打ち直しましょう。全作品の水平が確認できたら、虫ピンやねりけしでキャプションも設置し、水糸をとり外します。最後に額の微細な埃をブロアーで吹き飛ばせばフィニッシュ!

正しい額の測り方

事前に展示位置を計算したのに、なぜか位置がずれてしまう原因のひとつは、作品のプリントやマットのサイズで計算していた場合。購入・レンタルする額のサイズで計算しましょう。

上の図のように、作品の中心から額をかける高さまでの距離を測ってくことが大切。①写真の中心から額を掛ける位置まで。②額を入れた横の長さ。直接額に釘を掛けるタイプではなく、ひもを釘やフックに掛ける額の場合は、ひもをピンと張った状態でひもの中心部分を持ち上げ、張った位置から持ち上げた中心の高さが、上の図の①の長さにあたります。

作品間はどのくらい?

壁に縦位置と横位置の写真を何点飾るか、予め決めておきましょう。たとえば、横写真を2点、縦写真を3点飾るとします。写真と写真の間は図のように6つできますので、下記のように計算しました。

壁全体の長さ(4,500㎜)− 横位置で使用する額の総幅(横510㎜×2点)+ 縦位置で使用する額の総幅(横410㎜×3点)= 2,250㎜。空いた壁のスペース総合計(2,250㎜)÷ スペース(6か所)=375㎜。写真と写真の間隔をこの375㎜で均等にしてもOKですし、左端①と右端⑥だけ調整してもOK。今回は①⑥を445㎜に、②~⑤を340㎜にしました。

展示あとの作品保存方法


写真展が終わったら、作品はどう保存すべき?とお悩みの方も多いのでは。作品は湿気がこもりやすい床は避け、風通しの良い所で、 潰れを防ぐために重ねず縦置きで保管するのが良いでしょう。また、額の箱に作品のインデックスを貼っておくと便利です。

いかがでしたか?
一見難しく思える展示作業も、きちんと手順を踏めば意外に簡単です。 スムーズな搬入ができるように、シミュレーションをして展示に臨みましょう。

展示のノウハウをもっと知りたい方へ

今回の記事は「PHaT PHOTO 85号」の特集「展示とプリントの万全Q&A」の一部をご紹介したものです。

85号は完売のため、さらなる内容をお読みいただけるのは、プレミアム読者の方だけ。ギャラリー選びや失敗しないプリントのノウハウ、効果的なPRなど…写真展を控えている方、「いつかやりたい!」という方におすすめの内容になっています。実際に展示をした人の声も満載の「展示とプリントの万全Q&A」。プレミアム読者になって、バックナンバーをぜひご覧ください。


STORY TELLER / 写真家達の物語 vol.37

フォトディレクターの推し写真集

まちスナ日和