迷わず残す瞬間のきらめき―PPC 100 Point Gallery Vol.29 岩田徳彦さん


「PHaT PHOTO」の人気写真コンテスト「PHaT PHOTO CONTEST(PPC)」。毎号異なる3名の写真関係者を審査員としてお招きし、座談会形式で審査を行います。
PPCは入選や応募するとポイントが加算(※)され、見事累計100ポイントを達成した方には、デジタル雑誌および本Webマガジンにて作品とインタビューを掲載します。
今回は、29人目の達成者である岩田徳彦さんの作品を紹介します。

(※)各審査員が選出した1位(10pt)、2位(6pt)、3位(4pt)のほか、入選2pt、もうちょっとで入選!1.5pt、応募するだけでも1ptが加算されます。現在のポイントランキングはこちらに掲載しています。

迷わず残す瞬間のきらめき

「どんな瞬間も逃したくないので、子どもと一緒の時間には常にカメラを用意しています。近所のコンビニに行くだけでもカメラは持っていきますね」と語るのは、29人目となる100ポイント達成者の岩田徳彦さん。

ふだんは息子さんを撮影することが多いそうですが、今回は街中の日常を捉えたものや、被り物をしたセルフポートレートも掲載。いくつものジャンルの作品に挑む、岩田さんの多彩な表現力の一端を窺い知ることができます。

2007年ごろからPPCへの投稿をはじめ、長年応募を続けてきた岩田さんが心掛けているのは、とにかく楽しみながら撮ることだそう。
「じっくり構図を決めるよりは瞬間をねらうことの方が多いです。“迷わず撮る”ということは意識しています」

息子さんが振り向く姿。道行く街の人々。ベンチで佇むサラリーマン。何気ない日常の瞬間を捉えながらも、どこか演出しているようにさえ見える写真の数々。鋭い着眼点と感性で瞬間的に捉えた風景は、生活のあたたかさとともにユーモアを感じさせ、岩田さんならではの味わいを生み出しています。

「PPCでは褒めてくれる人もいれば、否定的なコメントもある。褒めてよと思いながらも3名の審査員の意見の違いは勉強になります」と語ってくれた岩田さん。写真に向かうひたむきな姿勢と、素直な眼差しによって切りとられた写真が今後も楽しみです。

photo:Norihiko Iwata

過去の受賞作品から

2016年 11-12月号 Vol.96 6位「無敵の指」
テラウチマサト・太田菜穂子特別賞

<Vol.96の座談会から>
「指が猛獣の鼻のなかに突っ込んで見えるという面白さ。主役と背景とカメラアングルによって、別の意図が伝わってくるのがいいと思いました」(テラウチマサト)
「撮っている人が楽しんでいる感じがすごく伝わってきました」(太田菜穂子)

2017年 3-4月号 Vol.98 7位「トップ会談」
大西みつぐ 特別賞

<Vol.98の座談会から>
「離れていても情愛のようなものが浮かび上がっています」(大西みつぐ)
「撮影者が、自分の息子とお父さんを撮っているっていう感覚がすごく伝わってくるいい写真ですね」(テラウチマサト)

<Vol.106の座談会から>
「懐かしいブラウン管のテレビを思わせる昭和っぽさも感じながら、現代の雰囲気も取り込んでいて、時代を超えた感覚があるスナップですね。心にざわっと残るところがあって、気になりました」(大和田良)

<Vol.111の座談会から>
「『息子がチェーンにとらわれているように見えた』というキャプションに惹かれました。単純なものではなく、社会のさまざまなものに制限されているように見えて、ねらい通りのことが言葉以上に写っていると感じました」(テラウチマサト)

常任審査員 テラウチマサトからの言葉

テラウチ マサト
岩田徳彦さん、100ポイント達成おめでとうございます。岩田徳彦さんの応募されてくる写真の特長は、お子様の成長を撮り続けていることにあります。そして、岩田さん自身の写真も、岩田さんのお子さんのように成長を続けてこられました。

Vol.96「無敵の指」から、Vol.98 の「トップ会談」、総合2位になったVol.106の「ある晩」、同じく総合2位のVol.111「自由って」まで、お子様を撮られていることは変わらないのですが、最初の頃のユーモアやペーソスを感じさせる写真から、もっと心の奥の深いところに届くような、写真を観るものにふと考えさせる力のある写真へと変化しています。

何気ない可愛さを撮ることから、お子様が垣間見せる仕草や表情の中にある、人間の持つ本質を捉える写真へ。それは、お子様の成長とも多いに関係しているのでしょう。

また、タイトルにも感心していました。タイトルは、写真に方向性を持たせます。ニコッとしてしまうものから、考えさせるようなタイトルに変わっていったことも、撮っている写真の変化と似ていました。

今後、お子様に自我が芽生えると、撮影が難しくなるかもしれません。それも、岩田さんのさらなる変化のためのきっかけとなるでしょう。この先の写真にも期待します。

岩田さんの作品が掲載されているデジタル雑誌「PHaT PHOTO」vol.116は配信中。
誌面ではコンテストに入選したほかの作品も多数ご紹介しています。
ぜひあわせてチェックしてみてくださいね。

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