人とは違う視点の面白さ―PPC 100 Point Gallery Vol.32 崎田憲一さん


「PHaT PHOTO」の人気写真コンテスト「PHaT PHOTO CONTEST(PPC)」。毎号異なる3名の写真関係者を審査員としてお招きし、座談会形式で審査を行います。
PPCは入選や応募するとポイントが加算(※)され、見事累計100ポイントを達成した方には、デジタル雑誌および本Webマガジンにて作品とインタビューを掲載します。
今回は、32人目の達成者である崎田憲一さんの作品を紹介します。

(※)各審査員が選出した1位(10pt)、2位(6pt)、3位(4pt)のほか、入選2pt、もうちょっとで入選!1.5pt、応募するだけでも1ptが加算されます。現在のポイントランキングはこちらに掲載しています。

人とは違う視点の面白さ

他の人とは違う決定的瞬間をとらえた写真の数々。私が見たいものはこれです、という崎田憲一さんの潔い提示にいつもハッと驚かされた。

「人物のいる、生命感のある佇まいを心がけています。人の撮らない写真を撮る、人と同じ撮り方をしないが基本姿勢です。くまなく撮影ポイントを探す、上下、左右、前後に動く等、フットワーク良く動くこと。スローシャッター、流し撮り、広角を比較的よく使います。時間のある限りシャッターチャンスが来るまで粘ります」

2012年から投稿を続けて、前号ではじめて1位を飾った作品は、隅から隅まで見尽くされて切り取ったような、まさに決定的瞬間だった。

高校時代は写真部。でも深くのめりこむことはなく、社会人になり、海外出張で旅行写真を撮るようになってからレタッチの面白さに惹かれ、再び写真の世界に戻ったそう。

「漫然と撮るのではなくフォトコンテストへの挑戦を目標にできたことが、長く写真を続ける大きなモチベーションになった。」

これから撮りたい被写体を尋ねると、シルエット(人物をシルエットで表現)、または光と影、人と犬の関わり合い、下町の鋳物工場、キューバなどとたくさんのワードが出てきた。「PPCのおかげで、写真表現の視野が広がりました」そんな風に語ってくれた崎田さん。これからも崎田流の決定的瞬間が生み出されていくのだろう。

photo:Kenichi Sakita

過去の受賞作品から

2018年5-6月号 Vol.105
2位「急襲」
テラウチマサト1位

<Vol.105の座談会から>
「偶然出合ってその場でシャッターを切った、という写真ももちろん良いのですが、自分で画面を考えてねらって撮る、というこの写真のような姿勢も僕は評価したいと思います。また、右上の赤い部分の入り方も絶妙ですね」 (テラウチマサト)

2019年 11-12号 Vol.114
2位「覗き見」
テラウチマサト3位・小林正明3位・松本友希特別賞

<Vol.114の座談会から>
「今回の入選作品の中では突出していましたね。広告を利用してアイディアで勝負している点がよかったです」(小林正明)
「案もさることながら、この空間と人物の選択にも作者のセンスを感じました」(テラウチマサト)

2020年1-2月号 Vol.115
5位「モニュメント」
テラウチマサト2位

<Vol.115の座談会から>
「街の中にある現代アートのように見えました。うまく切りとっているなと思いながらじっと写真を眺めていたら、椅子であることに気づいて。それがわかった瞬間に、面白い場面を見つけられたなと感心しました。個人的に好きな作品でした」(テラウチマサト)

2020年3-4月号 Vol.116
1位「都市に生きる」
テラウチマサト1位・舞山秀一3位

<Vol.116の座談会から>
「光の当たり方や鷺の位置、ビルの鉄柱の斜めの入り方なども、よく考えられています。斬新な切りとり方を評価しました」(テラウチマサト)
「いくつもの要素が1つの絵になっているのがとても面白いです。見どころの多い作品だと思いました」(舞山秀一)

常任審査員 テラウチマサトからの言葉

テラウチ マサト
崎田憲一さん、100ポイント達成おめでとうございます。崎田さんの写真にはいつも驚きがあって、私は何時もその視点の面白さ、Amazingな発見力に、ため息と共に感激して拝見していました。

2018年5-6月号「急襲」や2019年11–12月号「覗き見」、どちらも総合2位をとった作品ですが、いずれも合成した様に見える不思議な写真であり、構成力優れた写真で、街中で見つけたシーンがチャンスを待つことやレンズ効果を活かすことで、実は、リアルに撮影されていることに驚きを隠せませんでした。その特徴が色濃く出ていたのが、2020年1-2月号の「モニュメント」総合5位の作品でした。

実は、私は2位にしており、積み上げられた パイプ椅子の塊をモノクロで撮ることで、陽に反射するステンレスの白や影の黒で見せる写真がまるで街中にあるモダンアートの様に見えました。発見力に表現技術を加えて撮ることで作品にしてしまう、これも突出した崎田さんの才能だと思っています。

また直近である2020年3-4月号「都市に生きる」という総合1位に選ばれた作品は今までの表現力+発見力に構図や光が加わり構成力が高まった作品でした。こうしてみると近年に上位に選ばれることが高くなっている崎田さんのこれからが楽しみです。