「自分が何を伝えたいかを明確にしておくことが大切」ということは前回教えて頂きましたが、撮りたい被写体が明確な場合もあれば、「その場の雰囲気を伝えたい場合」もありますよね。
松本先生は、撮影したいと思ったら、ぱっと撮るだけでなく、自分がなぜこの場面に反応したのかを頭の奥で考えながら、じっくり撮り方を考えて、アングルや被写界深度、露出、距離感などを細かく調整しながらシャッターを切っているそう。
撮影するときに感じた印象が、写真になったときに違って見えてしまうこともあるため、できるだけ同じ場所で3カット、違う撮り方で撮影するようにしているそうですよ。
「その場の雰囲気を伝えたい」場合に工夫したい3つのポイントを詳しく教えて頂きました。
POINT1 : 目線の高さを調整する
時間の流れやその場の雰囲気といったものをとらえたいときは、カメラの上下のアングルがポイント。目線の高さを変えることで、写真を見るひとが誰かの目線を想像したり、自分でもまるで同じように見ている感覚となるからです。
たとえばこの写真の場合、猫のような低い目線から見ている雰囲気を感じて欲しいため、ローアングルから草越しにねらっています。
POINT2 : その場の距離感を保つ
雰囲気を伝えようと大きく切りとった場合、情報が多すぎて視点が定まらなくなりがち。
まずは目で見える視野範囲と同じ画角を意識し、被写体との距離を調整すると、その場の雰囲気を自然に切りとることができます。見る人にも体感できる目線を意識することがポイント。POINT3 : 動きをプラスするラインの傾き
被写体に対して水平にカメラを構えると落ち着いた印象を与えますが、あえて水平線を崩すことで不安定な画面構成となり、雑踏感や臨場感を増すことができます。
また、ポートレイト撮影のシーンでも躍動感のある元気な印象を与えますので、効果的に使ってみましょう。いかがでしたか?
アングルや距離感、あえて水平線を崩すなど、時間の流れやその場の雰囲気をとらえる工夫もいろいろ。1カットで満足せずに、違う撮り方も試してみたいですね。
次回は「写真から物語を想像して欲しい場合」の5つのポイントをご紹介します!お楽しみに。
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