タカザワケンジ文章講座 第3回 写真展の見方
ツイッターやFacebookなどのSNSやブログで写真展や写真集の感想を書いてみたい!
写真展に行った後、記録として感想を書いているけど、うまく書けているかわからない。
そんな風に思ったことはありませんか?
本連載では写真評論家のタカザワケンジさんに、写真についての魅力的な文章を書くコツを教えていただきます。第3回は、写真展の見方について。写真展の種類やおすすめの見る順番について教えていただきました。
※本記事は、写真評論家・タカザワケンジさんによる「写真展・写真集の感想をSNSで書くための文章講座」の内容を一部抜粋してご紹介しています。
1.写真展の種類
写真を見ることに続いて、写真展を見ることについてお伝えします。
写真展は大きく分けて2つに分類されます。
A)写真1点1点を見せる展示
写真ギャラリーの伝統的な展示方法。メーカーギャラリ-など。
東京都写真美術館『愛について アジアン・コンテンポラリー』展(2018年10月2日~11月25日開催)
B)写真のある空間を見せる(体験する)展示
インスタレーション。現代美術の文脈で写真を使った作品に始まり、近年は写真ギャラリーでも試みられるようになっています。
Aの場合は1枚1枚の写真を見ていくことになりますが、Bの場合は写真だけでなく、空間との関連性まで解釈が及びます。両方とも作家の意図が異なるので、見方を変えなければいけません。
小松浩子さん(写真家)、タカザワケンジさん(写真評論家) 杉山武毅さん(六甲山国際写真祭代表、Mirage Gallery代表)のトーク「写真とインスタレーションの最前線」の記事をご覧いただけます。
https://phat-ext.com/member/21083
2.ステートメントは答え合わせ-写真展の見方
写真展を見る際の、おすすめの見る順番についてお伝えします。
2.写真を見る(1枚ずつ見る、隣の写真との関係も見る)
3.額を見る(どう展示しているか)
4.展示構成を見る
5.タイトルを読む
6.ステートメントを読む
実際にはタイトルとステートメントが先に目に入ってしまうかもしれませんが、少なくともステートメントは最後に読むといいと思います。
タイトルやステートメントを先に読んでしまうと、その通りに見て解釈することで満足してしまう可能性があるので、できれば何の情報も入れずに、自分がどう感じるかを第一に見てみてください。
そのうえで、自分の解釈とタイトルやステートメントを答え合わせのように照らし合わせてみると関連性やずれが意識されて面白いと思います。
写真展になると、1枚の写真だけでなく、展示方法や展示されている空間も見る対象になります。写真を見ることに加えて、展示構成まで考えられるとより面白くなると思うので、ぜひいろんな写真展に足を運んでみてください。