ポートフォリオレビューの受け方 5/5 作品を売り込んで結果を出す方法
国内外のフォトフェスティバルなどで行われるポートフォリオレビュー。
「ただ見てもらう」だけに終わらない、「作品を売り込んで結果を出す」ポートフォリオレビューにするには一体どうすればいいのか?
【1】[基本]知っておくべき、よくある3つの失敗
【2】[ポートフォリオのつくり方]ケースはどうする?
【3】[ポートフォリオのつくり方]作品準備の5つの基本
【4】ステートメントの書き方
「ポートフォリオレビューの受け方」シリーズの最終回。
・準備しておきたいものリスト
・CV/プロフィールの書き方
・「ただ見てもらう」だけに終わらないプロモの用意
・おさらいとおまけ:ポートフォリオレビューを受けるうえで大切な5つのこと
おさらいとして、準備しておきたいものをもう一度。
準備しておきたいものリスト
■ポートフォリオケース
■作品
■ステートメント
■CV/プロフィール
■展示イメージ(あれば)
■プロモ
最終回ではCV/プロフィール、展示イメージ、プロモについてお届けします。
CV/プロフィールの書き方
CVは履歴書のこと。必要な項目はこちらです。
(1)名前、生まれ年
(2)学歴や経歴
(3)受賞歴
(4)展示歴
(5)レクチャー経験や雑誌掲載など
それぞれ補足をすると、
(2)学歴や経歴:学歴は写真学校でなくても構いません。
(3)受賞歴:あれば掲載したいですが、なくても大丈夫です。
(4)展示歴:個展とグループ展は分けてわけて書きましょう。数多くある場合はブランディングなので、ある程度セレクトすると良いです。
(5)レクチャー経験や雑誌掲載など:こちらもあればぜひ盛り込みましょう。レクチャー経験は学校法人だとより見栄えが良く、雑誌掲載も安心感につながることもあります。
以上のことを盛り込んで、CV/プロフィールをつくっていきましょう。
展示イメージ
もしレビューのなかで「展示イメージはありますか?」と聞かれたら、それはあなたにチャンスが訪れている証拠です。
展示イメージとして押さえておきたいのは下記の3つ。
(1)プリント
(2)サイズ
(3)額装・加工
こちらに加えて、過去に展示した際の写真などがあるとなお良いです。
プリントの方法は、インクジェットなのか、プラチナプリントなのか銀塩なのか…サイズはどのくらいの大きさを想定しているのか、額装で見せたいのか、パネル加工が適しているのか…、展示のチャンスを逃さないために、作品の最終アウトプットまで考えておくとよいでしょう。
プロモ
「プロモ」というのはプロモーションツールのこと。
「ただ見てもらう」だけに終わらない、工夫のひとつとして、ポートフォリオとは別に、レビュアーに手渡すことのできる「プロモ」も用意しておくのがベスト。
「The New York Times」のポートフォリオレビュー(2018/4開催)などで実際に作家から手渡された「プロモ」
(1)作品はポストカードやZINEなどにして渡せるようにしておく
(2)ステートメントやCVはプリントしておく
(3)検索時に探しやすいような工夫をする
レビューでは、1人のレビュアーが十数人の作品を見ることもあります。
ポストカードとステートメントだけではどんな作品かすぐに思い出せないこともあるので、写真をプリントしてセットにしておいたり、名前を目立つように書いたり、レビュアーが後から検索しやすい工夫も必要です。
おさらいとおまけ
ここまで5回にわたって、「ただ見てもらう」だけに終わらない、「作品を売り込んで結果を出す」ポートフォリオレビューの受け方をお伝えしてきました。
おさらいとして、大切なことを5つ。
■何を目的に受けるのかを明確にする
■目的に合ったレビュアーを選ぶ
■何を伝えたいかを明確にする
■準備が大切。レビューはたったの20分。
■良きパートナーになれることを証明する。
目的や伝えたいことを明確に、しっかり準備をすること。ポートフォリオレビューはふだん会えない人に直接自分の作品を売り込むことができる場なのですから、この人と一緒に仕事をしたいと思われるように作品の扱い方やプロモなども気を付けていきましょう。
最後に、おまけとして…
レビューを受けたときに予想外に厳しいコメントをもらって落ち込んでしまった経験はありませんか?
しかし、どんなに厳しい言葉でも、作品へのコメントは「人格否定」ではありません。批評に対しては常に「オープン」でいるようにし、レビューを受けること自体を目的にせず、自分の今後に繋がるものを得ることを目的に、厳しいコメントも糧にしていきましょう。
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