シャッターを押したタイミングが抜群!ファットフォトコンテストVol.106入選作品発表!


「PHaT PHOTO」の人気コンテストPPC。
毎号異なる3名の写真関係者を審査員としてお招きし、座談会形式で審査を行います。

審査員:有元伸也/大和田良/テラウチマサト

PPCでは、自分の好きな写真を応募する「自由部門」と、毎号与えられるテーマを基に写真を応募する「テーマ部門」で作品を募集しています。自由とテーマ合わせて一次審査を通過した17点を座談会にて講評します。今号のテーマは「忘れたくない風景」です。順位は各審査員が選出した1位(10pt)、2位(6pt)、3位(4pt)、特別賞(3pt)の総計で決定します。


PPCへの応募はどなたでもOK!詳細はこちら

本記事では、入選した20作品を一挙ご紹介。
1位に選ばれた作品の良さは?評価の分かれ目ってなに?
審査員たちのさまざまな視点から、あなたの写真がレベルアップするヒントが見つかるかもしれません。

1位「はじめの旅の、その終わりに」
にたばる(滋賀県・41歳)

テラウチ1位 有元1位 大和田3位/計24pt/自由部門/オンライン応募

――今回の1位は、自由応募でにたばるさんの作品「はじめの旅の、その終わりに」です。テラウチさん、有元さんが1位、大和田さんが3位に選ばれました。

テラウチ シャッターを押したタイミングが抜群ですね。この場所で待っていたのか、たまたまこの瞬間に遭遇したのかはわかりませんが、どちらにせよとてもいい切りとり方で
す。いい具合に、いろんなものが見えていないのが面白いです。見えていないものが多い中で、光が当たっている少年の鼻筋や振り向いた顔が印象的で、アルバムに入っていても目にとまる写真だなと思いました。

有元 見えない部分に対して、少年がどこに行くのかという想像力を掻き立てられました。彼だけ全身が見えていて、後ろの2人は顔も見えていない。背景の人の匿名性が高くなっているので、振り向いた少年の主役性がより強くなっているように思います。暗闇の中に吸い込まれていく大人と、こちらを鋭く見つめる少年の対比がいいですね。彼の表情からも、強い意志を感じました。

大和田 後ろの女性の白い服が闇の中で妙になまめかしいというか、色気のある質感ですね。でもその色気も嫌味っぽくなく、どこか荒んだ雰囲気が感じられます。ピュアだと思われている子どもの、裏側の闇を切りとっているようで、印象的でした。

 

2位「ある晩」 岩田徳彦(広島県・47歳)

大和田1位/計10pt/自由部門/プリント応募

――続いて、2位は自由部門で岩田徳彦さんの作品「ある晩」です。大和田さんが1位に選ばれました。

大和田 僕は演出とリアリティの狭間にある面白さが写真の特徴だと思っているんですが、この写真は今回の応募作品の中でいちばんそれがよく表れているなと思いました。コンポラの時代の構図を踏襲している部分も、きちんと考えて撮られているのが伝わってきます。懐かしいブラウン管のテレビを思わせる昭和っぽさも感じながら、現代の雰囲気も取り込んでいて、時代を超えた感覚があるスナップですね。心にざわっと残るところがあって、気になりました。

有元 絵的に気になる作品ですよね。こういう部屋の中で撮影した写真は個人的に好きなんですが、大分明るさを落としているので細部が見えにくかったのが残念です。演出するよりも、後ろに見える洗濯物やラックをもう少しはっきり写してみると、生活感やリアリティが出てきてさらに面白くなるんじゃないかなと思いました。

テラウチ 確かに子どものポーズと古いイメージが心に引っかかりますね。でも、何か物足りない。子どもの表情が見たかったです。日常を切りとるコンポラ写真のようだからこそ、伝えたいことを明確にして工夫してみて欲しかったですね。

 

3位「Black Diary」 本多貴政(広島県)

大和田2位/計6pt/テーマ部門/オンライン応募

――次に、3位はテーマ応募で本多貴政さんの作品「Black Diary」です。大和田さんが2位に選ばれました。

大和田 作者が写真でどう工夫をしようか、どういうふうに表現をしようかと非常に考えながら制作したということが感じられる作品です。完成度やプリントのトーンはもう少し改善の余地があるとは思いますが、演劇的な形で写真作品をつくろうとしたところは、とても挑戦的でいいなと思いました。伸びしろがありますよね。演出的な写真は他にもさまざまな方法があるので、ここからさらに発展させていってほしいという意味も含めて、今回は2位に選びました。

テラウチ 大胆な構図と、モノクロで見せた表現力は立派ですね。でも、---------
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