見せたかったものが前面に出た作品が面白い|ファットフォトコンテスト Vol.105 総評


「PHaT PHOTO」の人気コンテストPPC。
毎号異なる3名の写真関係者を審査員としてお招きし、座談会形式で審査を行います。
デジタル雑誌で配信しているPPCの総評を、PHaT PHOTO Webでもご紹介します。

<今回の審査員>鷹野隆大、村越としや、テラウチマサト

PPC道場がはじまり、単写真と組写真2つの講評をおこなった今回の審査。
3名の審査員の方々はどのようなことを感じたのでしょうか?
講評ではおさまりきらなかった審査員の声をお届けします。

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テラウチ 今回の講評は特に難しかったように感じました。単写真と組写真の両方を見ながら話したからかもしれません。

村越 特に組写真と比べると、単写真がいかに難しいか実感しました。組写真の方が撮影者の意図が読みとりやすい。1枚の写真からストーリーを掴むのは大変ですね。

鷹野 2000年以前は、しっかりした画面構成であるか、よい瞬間をおさえられているかといった技術的な側面が評価の前提になっていたんですが、その後はいわゆる素人臭い作品も積極的に評価していこうという流れが出て、評価の軸が変化したのを感じます。

カメラ機材が良くなったことによって、構成的にしっかりしたものを撮るのがあまり難しくなくなってきたというのも理由の1つかもしれませんね。その中で、いまは「どれだけ一体化できるか」がとても大事。自分が感じた「生の感覚」のようなものを、どう静止画に織り込んでいくかで作品の良し悪しが決まるんじゃないかと思います。

テラウチ 確かに一体化は大事ですよね。やっぱり、ただ画面が面白いという以上のものを撮ってほしい。今回の作品の中でも、一体化した目線で撮影したらもっとよくなるだろうな、という写真がいくつかありました。

鷹野 客観的な立ち位置だと伝わらないシチュエーションもありますからね。たとえば友達同士で賑やかにはしゃいでいる場面を撮ろうと思ったら、観察者として撮ってしまうとその楽しさは伝わらない。自分自身が場面の中に入り込んで撮らないと。

村越 最終的には、撮影者が何を伝えたいかがいちばん大切になってきますよね。どんなに入り込んで撮影しても情報量が少ない写真だと、評価する側に伝えたかったことがよく 伝わらず評価が難しい。当事者として中に入り込んで撮った情感的な写真にしたいのか、 傍観者としてある程度の距離をとり客観的に捉えたいのか、そこを自分で意識しながら撮れるといいですよね。

テラウチ 単写真だけでなく組写真も、撮影者が見せたかったものが前面に出た作品は面白い。そういったことを意識した作品が今後もたくさん出てくることを期待します。

 

編集後記

今回は「PPC道場」の第1回目。初回からクオリティの高い作品が揃いました。一方、単写真の審査では1枚で評価することの難しさについて話題があがりました。単写真は情報が少なすぎると、作者の表現意図が分かりづらく、物足りない印象になってしまいます。

1枚でうまく完結しない場合は、組写真にしてみるのも選択の1つ。今回入選となった求磨川貞喜さんの「旗」。単写真としても面白い作品ですが、同じアングルで旗が上下する様子を5枚並べてみても、また違った動きや面白さが生まれます。組写真にすることで、あなたの写真の評価が変わるかもしれません。撮影後は、自分の作品が単写真と組写真、どちらに適したものなのか1度考えてみましょう。

いかがでしたでしょうか?
写真のプロに講評をいただく機会はなかなかありません。
今回の記事を読んで、「自分の作品も見てもらいたい!」「ステップアップのアドバイスがほしい!」と思われた方は、ぜひお気軽にPPCにご応募ください。
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